「流れるウインカー」とは? ― 一世を風靡した“動きで魅せる光”
まず、「流れるウインカー」とは点灯時に内側から外側へ光が流れるように点滅するLEDウインカーのこと。
正式名称は「シーケンシャルターンランプ」。
2009年にアウディA8が初搭載して以降、「未来的」「プレミアム感がある」と高評価を得ました。
特に2010年代後半には、レクサスRX・NX、トヨタのクラウンやアルファード、さらには軽自動車にも採用が広がり、まさに“一大ブーム”となったのです。
なぜ減った? 流れるウインカーが“下火”になった3つの理由
| 原因 | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| ① デザインの飽和 | 高級車だけでなく軽自動車やコンパクトカーにも普及。新鮮味が薄れた。 | 高級感が低下し、特別感がなくなった。 |
| ② 好みが分かれる演出 | 「派手すぎる」「デコトラっぽい」と感じる人も。 | 保守的な層や年配層に敬遠されがち。 |
| ③ コスト・整備性の問題 | シーケンシャル制御は通常のウインカーより高コスト。修理費も高額。 | 中・低価格帯モデルでは採用見送りが増加。 |
現在の採用状況 ― 同一メーカーでも採否が分かれる!
興味深いのは、メーカーごとに対応が“バラバラ”な点。
たとえば、レクサスでは2022年発売の新型RXで流れるウインカーが非採用となった一方、トヨタの現行アルファード/ヴェルファイア(2023年発売)では採用継続されています。
| メーカー | モデル | 採用状況 | 備考 |
|---|---|---|---|
| トヨタ | アルファード/ヴェルファイア(2023年~) | ○ | フロント&リア共に採用 |
| レクサス | RX(2022年~) | × | 先代まで採用されていたが廃止 |
| アウディ | A6・Q8など | ○ | 欧州モデル中心に継続採用 |
| ホンダ | オデッセイ/ZR-Vなど | △ | グレードによって異なる |
| 日産 | エルグランド現行型 | × | 通常LEDターンランプ仕様 |
このように、ブランドのキャラクターや顧客層によって採用が判断されているのが現状です。
「流れるウインカー」は“高級装備”から“好みの演出”へ
登場当初は“先進性と高級感の象徴”だった流れるウインカー。
しかし、LED化が進んだ今では、単なるデザイン演出のひとつとして扱われるようになっています。
今後は「スポーティさ」「モダンさ」を重視するモデルでは採用が続く一方、
「落ち着き」「品格」を求めるモデルでは静的な点灯に回帰していくと予想されます。
ファンの声 ― いまも根強い人気アリ!
SNSなどでは、「やっぱり流れるウインカーが好き」「カスタムで付けたい!」という声も多数。
実際、アフターパーツ市場では後付け流れるウインカーキットが根強く人気を保っています。
| 装備タイプ | 内容 | 購入層 |
|---|---|---|
| 純正採用 | 高級モデル中心 | 新車購入者 |
| アフターパーツ | 流れるLEDユニットや流れるドアミラーなど | カスタム派・DIYユーザー |
最後にひとこと
流れるウインカーが減ったとはいえ、その存在感は今も健在。
「ちょっと派手」「ちょっとお下品」……そんな声もあるけれど、
クルマ好きにとって“光で魅せる演出”はやはり心をくすぐるもの。
これからは、**“キャラクターで選ばれる装備”**として再評価される時代になるかもしれません。
街で流れる光を見かけたら、きっと誰もが思うでしょう——
「やっぱり、あれはカッコいい」と。



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