キザシ:スズキの挑戦と挫折
スズキが2009年に投入したキザシは、同社の世界戦略車として開発されたミドルクラスのセダン。軽自動車やコンパクトカーで知られるスズキが「高級サルーン市場に参戦」したことで注目を浴びました。
- 車両の特徴
- 全幅1820mmの堂々たるサイズ。
- 直列4気筒2.4Lエンジン(最大出力188PS)。
- リアにはマルチリンク式サスペンションを採用。
- 海外では6速MT仕様も販売され、日本ではCVTのみ。
しかし、日本国内では受注生産という販売形態に加え、ボディカラーが3色(白、黒、銀)に限定され、全体的に「売る気が感じられない」ラインナップでした。その結果、国内販売台数はわずか3379台に留まりました。
中古価格高騰の理由:希少性が引き上げた価値
現在、キザシの中古価格が高騰している背景には、その「希少性」が大きく影響しています。
- 元々の生産台数が少ない
パトカー仕様を除いた市販車両は約2471台のみ。これにより、中古市場での供給が極めて限られています。 - 状態の良い車両が減少
生産終了から約10年が経過し、低走行で良好な状態のキザシは減少の一途。これにより、現存車両の価値が相対的に上昇しています。 - 覆面パトカーのイメージも希少性を後押し
パトカーとして活躍していた車両も多いため、一般向けモデルはさらに珍しい存在に。
キザシを狙うなら今がチャンス?
現在の市場動向からすると、希少性の高いキザシはコレクターズアイテム化しつつあります。「手頃な価格で購入してからの再販益を期待する」よりも、純粋に好きで乗りたい人にとって価値ある一台となっています。
購入を検討する際のポイント
- 低走行・良好な状態の車両を狙う
価格が上昇しているだけに、状態を見極めることが重要です。 - 輸入仕様やMT車に注目
希少性の高い輸出仕様(MT車やカラフルなボディカラー)を選ぶのも一案です。
キザシの今後
キザシの中古価格高騰は、希少性がもたらす一時的なブームかもしれませんが、スズキが高級サルーン市場に挑戦した象徴的なモデルとして、歴史に名を刻んでいます。
「スズキ=コンパクトカー」のイメージを打ち破ろうとしたこの意欲的なモデル、興味があるなら今すぐチェックしてみる価値がありそうです!
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