2025年、自動車業界は大転換期を迎えるのか?これまでとこれからの「100年に一度」の変革を読む

その他

国内の法令違反問題:信頼失墜とその影響

2023年末、ダイハツの型式指定認証不正問題がトヨタグループ他メーカーにも波及し、国内自動車業界全体に衝撃を与えました。技術的な安全性を強調するメーカーの謝罪会見が多かったものの、ユーザーが求めているのは「法令遵守」の姿勢です。

加えて、日産などが下請法違反を疑われる案件が報じられたことは、業界全体の透明性や組織の脆弱性を露呈させました。これらの問題は、ユーザーだけでなく販売現場にも大きな影響を及ぼしています。

欧州起点の変革:EVシフトとESG投資バブル

Buble burst

2024年の大変革の背景には、欧州を起点とした「EVシフト」と「ESG投資バブル」があります。特に、フォルクスワーゲン(VW)の燃費不正問題を機に始まったEVシフトは、COP21(パリ協定)を契機に加速しました。

これに続く形でメルセデス・ベンツが提唱したCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリングエコノミー、電動化)は、「クルマからモビリティへの転換」を象徴するキーワードとなり、自動車業界の新しいビジネスモデルを提示しました。

また、ESG投資バブルの影響で、テスラや中国の地場EVメーカーが急成長。一方で、日本メーカーは「マルチパスウェイ(多様な動力源の選択肢)」を提唱し、EV偏重の流れに一石を投じました。

新たなキーワード:SDVと生成AI

2024年後半には、CASEに続く新たなキーワードとして「SDV(ソフトウェア・デファインド・ヴィークル)」が注目を集めました。さらに、生成AIを活用した自動運転技術が急速に進化し、グーグル傘下のウェイモが数兆円規模の投資を行っているとされます。

しかし、これらの新技術は自動車業界全体での明確な定義がないまま振り回されている感があり、統一的な方向性を模索している段階です。

資本構造の地殻変動と新たな課題

海外では、自動車産業における資本構造の変革が進んでいます。中東系ファンドによる英国マクラーレン乗用車部門の買収や、レカロなどのティア1サプライヤーの合併・買収がその例です。

一方で、日本メーカーはバリューチェーンの再構築に慎重であり、大規模な販売網再編には踏み込めていません。この「踊り場感」が、2025年に向けた次の大きな動きを予感させます。

2025年に待ち受ける「大どんでん返し」

2025年は、自動車業界にとって「新たな時代」の幕開けとなる可能性があります。SDVや生成AIが普及し、バリューチェーンが劇的に再編されることで、現在のプレイヤーが覇権を失う可能性も否定できません。

特に、日本の自動車メーカーがこの波にどう対応するかが注目されます。グローバル競争の中で「選択と集中」が必要になる一方、多様な動力源や地域特性を考慮した「持続可能なモビリティ社会」の構築が求められるでしょう。

結論:時代の変化をどう捉えるか

2024年に明らかになった自動車業界の課題と可能性は、2025年にさらなる変革を迎える準備段階といえます。私たちがこの変化をどう受け入れ、適応するかによって、自動車産業の未来は大きく変わるでしょう。

2025年、クルマの世界で「大どんでん返し」は起こるのか。その結末を見届ける準備を始めておきましょう。

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