1. 「14R-60」を参考にした剛性バランスのアップ
TRDは過去に発売した限定コンプリートカー「14R-60」のハンドリング性能を基に、今回のデモカーに多くの強化ポイントを投入しました。
主な補強ポイント
- サスペンションメンバーの補強
- 溶接箇所を増やし、ねじり剛性を向上。
- ハンドル操作への応答性が大幅にアップ。
- サスペンションアームの強化
- フロントロワ、リアトレーリングなどを補強。
- ピロボールと強化ブッシュを適所に採用し剛性を最適化。
- 駆動系パーツの改良
- 鍛造品レリーズフォークを採用し、トラブル頻発箇所を強化。
- メタルクラッチディスクはノーマル並みに扱いやすいセッティング。
2. 驚きのコーナリング性能
デモカーは、86ワンメイクレース向けのTRD製サスペンションと高性能タイヤPOTENZA RE-71RS(235/40R18)を装着。コース試乗ではその性能が存分に発揮されました。
試乗の印象
- メタルクラッチのスムーズな操作感
- 発進時に違和感がなく、ピーキーさが排除された設計。
- ハンドリングの向上
- コーナー侵入から出口まで安定しており、ノーマル86よりも正確かつ気持ちよく曲がる。
- トラクション性能の向上
- 立ち上がりでアクセルを深く踏んでもタイヤがしっかり路面を捉え、加速がスムーズ。
3. 足まわり性能が引き出すエンジンパワーの課題
TRDの強化パーツが効果を発揮した結果、足まわり性能が非常に高まりました。その一方で、エンジンの出力が不足していると感じるほど。
- 高剛性シャシーが生む安定性
- 足まわりの強化により、タイヤのグリップ力を最大限に引き出す。
- エンジン出力とのバランス課題
- コーナーからの加速時に、足まわりのポテンシャルが高すぎるがゆえにエンジンパワー不足が露呈。
4. バランスを極めたチューニング
TRDが手がけたこの86デモカーは、駆動系、サスペンションアーム、シャシーの補強をバランスよく施し、ドライバーの期待に応える一台に仕上がっています。
デモカーの特性まとめ
- 足まわりと剛性の強化により、コーナリング性能が圧倒的に向上。
- 日常の扱いやすさを維持しながら、サーキット走行に十分対応できる。
- エンジンチューニングの余地が課題として残る。
結論:エンスージアスト必見の仕上がり
TRDのトヨタ86デモカーは、14R-60の進化版とも言える完成度で、走行性能を極限まで引き出した仕様。特にハンドリングとトラクション性能の向上は見事で、ドライバーに自信を与える一台です。
エンジンチューニングや追加のパフォーマンスアップが加われば、さらに次元を超える走行体験が期待できそうです。「本気の86」を求める方にとって、TRDが示す方向性は非常に魅力的です。
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