テスタロッサの系譜 ― 伝説の“赤い頭”再び
テスタロッサの名は、1950年代のレーシングモデル「500TR」に由来する。整備士が余った赤い塗料でシリンダーヘッドを塗ったことがきっかけで“赤い頭(Testa Rossa)”と呼ばれたのが始まりだ。
1984年、市販モデル「テスタロッサ」として復活した際には、12気筒エンジンを搭載し、バブル期の日本で大ブームを巻き起こした。そして2025年、31年ぶりに再び“赤き伝説”が蘇る。
驚愕のパワートレイン ― V8 PHEVが魅せる新時代の跳ね馬
新型849テスタロッサの心臓部は、完全新設計の4.0L V型8気筒ツインターボ+PHEVシステム「F154FC」。
最高出力はなんと1050ps(システム合計)。エンジン単体でも830psを発揮し、0-100km/h加速はわずか2.5秒。
これまでの12気筒モデルよりも軽量・高効率化が進み、SF90比で約10%の軽量化を実現している。
まさに“テスタロッサの魂”を未来に繋ぐマシンだ。
出し惜しみナシのダブルデビュー ― クーペ&スパイダー同時登場
通常フェラーリはクーペ発表後、2年ほど経ってからスパイダーを発表する。しかし今回はクーペとスパイダーを同時公開。
「伝説の復活」を象徴するかのような潔い演出に、世界中のファンが熱狂した。
価格は以下の通り。
| モデル | 価格(ユーロ) | 日本円換算(約) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 849 テスタロッサ クーペ | 460,000€ | 約6,000万円 | 新開発V8 PHEVエンジン搭載 |
| 849 テスタロッサ スパイダー | 500,000€ | 約6,500万円 | オープントップ仕様、同時発表 |
日本でのデリバリーは2027年予定。富裕層を中心に、すでに複数の予約が入っているという。
フェラーリ 849テスタロッサ主要スペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 4718×2304×1225mm |
| ホイールベース | 2650mm |
| 車重 | 1570kg |
| エンジン | V8 DOHCツインターボ+PHEV |
| エンジン出力 | 830ps/7500rpm |
| モーター出力 | 220ps |
| システム総出力 | 1050ps |
| 最大トルク | 85.9kgm/6500rpm |
| トランスミッション | 8速F1 DCT |
| 0-100km/h加速 | 2.5秒 |
| 0-200km/h加速 | 6.35秒 |
| 最高速度 | 330km/h |
| 100-0km/h制動距離 | 28.5m |
デザイン ― ストイックかつ情熱的な美学

新型849テスタロッサのデザインは、往年のテスタロッサが持つ“サイドストレーキ(側面フィン)”を現代風に再解釈。
ボディラインは流れるように滑らかで、空力効率と冷却性能を両立。
エンジンの搭載位置をこれまで以上に低く・中央寄りに配置し、理想的な重量バランスを実現している。
そのスタイルは、まさに「現代の跳ね馬」にふさわしい。
テスタロッサ復活が意味するもの
12気筒の象徴だったテスタロッサが、V8 PHEVとして生まれ変わった。
それは「時代の変化に適応しながらも魂を失わない」というフェラーリの信念の表れだ。
このクルマは単なるスーパーカーではない。
――それは“情熱の再定義”。
フェラーリというブランドが「未来をどう描いているのか」を体現する一台と言えるだろう。
フェラーリ849テスタロッサまとめ
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 名称の由来 | “赤い頭”=Testa Rossa(500TR由来) |
| 復活の意義 | 31年ぶりの再登場、伝統×最新技術の融合 |
| パワートレイン | 4.0L V8ツインターボ+PHEV(1050ps) |
| 価格帯 | 約6000〜6500万円 |
| 0-100km/h | 2.5秒 |
| デリバリー時期 | 2027年(日本) |
| 特徴 | クーペ&スパイダー同時登場、軽量化・高性能化 |
| 対象ユーザー | ハイエンド層・フェラーリコレクター・情熱的ドライバー |
まとめ

「フェラーリ 849テスタロッサ」は、懐かしさと革新が共存する究極の一台。
バブル期を知る世代には“あの赤い伝説”の再来として、
そして現代のドライバーには“フェラーリの未来”を示すモデルとして、
2027年、日本に降臨する。
👉 詳細はこちら:Ferrari 公式サイト



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