CLSの誕生:4ドアクーペの先駆者

CLSの歴史は、2004年に初代(C219型)が登場したことから始まります。当時、メルセデス・ベンツは高級車市場において新たなニーズを掘り起こすため、「セダンの快適性とクーペのスポーティなデザインを融合させた新カテゴリー」を開発。その結果誕生したのがCLSでした。
このモデルは、優雅なルーフラインと流れるようなボディデザインが特徴であり、従来のセダンとは一線を画す存在でした。また、4ドアながらもスポーティな走りを実現し、多くのクルマ好きを魅了しました。
進化するCLS:第2世代・第3世代
第2世代(C218型):2010年~2018年

初代の成功を受け、2010年に第2世代が登場。LEDヘッドライトの採用や、インテリアの高級感向上など、さらなる進化を遂げました。また、シューティングブレーク(ステーションワゴンタイプ)も追加され、CLSの選択肢が広がりました。
第3世代(C257型):2018年~2023年

現行の第3世代CLSは、より洗練されたデザインと最新のテクノロジーを搭載し、2018年にデビュー。エンジンラインナップには、直列6気筒エンジンを搭載した「CLS 450 4MATIC」や、AMGモデルの「CLS 53 4MATIC+」が用意され、パワフルな走りが楽しめるモデルとして進化しました。
インテリアも大幅に進化し、デジタルディスプレイや先進的なインフォテインメントシステムが採用されました。さらに、メルセデスの最新の運転支援技術が導入され、安全性能も大きく向上しました。
CLSの廃盤の背景とその理由
CLSは長年にわたって人気を博してきたモデルですが、2023年をもって生産終了が決定しました。その背景には、いくつかの要因が考えられます。
① SUV人気の高まり
近年、世界的にSUVの人気が急上昇しており、セダンやクーペの需要が減少しています。メルセデス・ベンツでも、GLEやGLSといったSUVモデルが販売の主力となっており、CLSの販売台数は減少傾向にありました。
② モデルラインナップの整理
メルセデス・ベンツは、近年「EQシリーズ」などの電動車に注力するため、ラインナップの整理を進めています。その影響でCLSも廃止対象となり、今後は「Eクラス」や「AMG GT 4ドアクーペ」などがCLSの役割を引き継ぐと考えられます。
③ EVシフトとCO2排出規制
欧州を中心に、厳しいCO2排出規制が導入されており、メーカーは電動化を急いでいます。CLSは電動化の計画がなく、内燃機関のみのモデルだったため、今後の市場戦略と合致しなかった可能性が高いです。
CLSの後継モデルはあるのか?
CLSが廃止されたことで、その後継モデルの登場が気になるところですが、現時点では直接的な後継車は発表されていません。しかし、CLSのデザインやコンセプトは、「AMG GT 4ドアクーペ」や新型「Eクラス」に引き継がれると考えられます。
また、メルセデス・ベンツは今後、電動クーペやスポーツモデルの開発を進める可能性もあり、CLSの精神を受け継ぐ新たなモデルが登場するかもしれません。
まとめ
CLSは、4ドアクーペという新たなジャンルを確立した名車であり、その歴史はメルセデス・ベンツの革新性を象徴するものでした。しかし、SUVの台頭や電動化の波により、2023年に生産終了となりました。
これからもCLSのデザインやコンセプトは、他のモデルに受け継がれるでしょう。CLSに憧れていた方は、中古市場で探してみるのも良いかもしれません。
CLSが築き上げた4ドアクーペの伝統が、今後どのように進化していくのか、メルセデス・ベンツの新たな展開に期待しましょう!
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