圧倒的存在感のデザインと驚きの価格設定
新型M5が目の前に現れた瞬間、その迫力に圧倒されました。フロントバンパーは大胆に口を開け、リアには4本出しのエグゾーストパイプが主張。フェンダーもフロントで70mm、リアで48mm広がり、存在感はスーパースポーツ並みです。これに加えて、キドニーグリルが光るデザインがMモデルらしいアグレッシブさを際立たせています。
驚くべきは価格です。1998万円という設定は、先代M5コンペティションと1円も変わりません。通常、電動化でコストが増すにもかかわらず、価格据え置きとしたBMWの戦略には驚かされます。
BMWジャパンは、重量増加(約500kg)を考慮しつつ、電動化の恩恵を広く体感してもらうため、価格を据え置いたと説明しています。
エンジンの魅力は健在! 電動化との融合
M5の心臓部である4.4リッターV8ツインターボエンジンは、PHEVシステムが追加されてもそのパフォーマンスを損なっていません。
ダイナミックモードを選択すると、エンジン主体の加速が楽しめます。アクセルを踏み込むと、モーターによる瞬間的なアシストが入りますが、すぐにエンジンのパワーが主導権を握り、従来のMモデルのようなダイレクトな走りを実現します。モーターによる違和感は一切なく、むしろアシストがエンジンを補完し、加速時の興奮をさらに高めています。
また、EV走行が可能な点も注目ポイントです。街中や早朝の静かな移動では、モーターのみの走行が役立ちます。これにより、スポーツセダンでありながら日常的な利便性も向上しました。
重量増を感じさせない巧みなハンドリング
電動化に伴い重量が増加しましたが、新型M5はそれを見事に制御しています。サスペンションや後輪操舵(リアステアリング)などの先進技術により、ハンドリング性能は従来以上に高められています。
ステアリング操作に対する応答性や、限界走行時の安定感も素晴らしく、M5らしい鋭いドライビングフィールは健在です。重量増を感じるのは限られた状況のみであり、総合的なパフォーマンスは先代モデルを超えるものとなっています。
新型M5が示す未来のスポーツセダン像
PHEV化によって、新型M5は次世代のスポーツセダンの在り方を示しました。エンジン主体のパフォーマンスを保ちながら、電動化の利点を取り入れることで、環境性能と走行性能を両立。これまでのMモデルのDNAをしっかりと継承しています。
新型M5は、単なる移動手段を超えた特別なドライビング体験を提供するスポーツセダンです。電動化が進む時代において、エンジンが主役であり続けるMモデルの存在感は、一層際立つことでしょう。
BMW M5 スペック概要
- 駆動方式:フロント縦置きエンジン+モーター4輪駆動
- 全長×全幅×全高:5095×1970×1510mm
- 車両重量:2400kg
- エンジン形式:V型8気筒DOHC48Vツインターボ+モーター
- システム総合出力:727ps / 1000Nm
- 変速機:8段AT
- 車両価格(税込):1998万円
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