トヨタ・エスクァイアはなぜ生産終了となったのか?

TOYOTA

高級路線を目指したエスクァイアの誕生いえるでしょう。

エスクァイアが登場したのは2014年10月のことです。同年1月に発売されたノアとヴォクシーの兄弟車として位置付けられ、より大人っぽい高級感を求める層に向けて設計されました。ガソリン車とハイブリッド車がラインナップされ、使い勝手の良いボディサイズやインテリアは他の2モデルと共通していましたが、エクステリアには大きな違いがありました。

特に特徴的だったのが、メッキを多用したフロントフェイスです。このデザインにより、エスクァイアはアルファードを彷彿とさせる上質感を持ち、「プチ・アルファード」と称されることもありました。他の兄弟モデルとは異なり、エアロ仕様が設定されなかったことも、高級感を追求する戦略の一環だったとトヨタ・エスクァイアはなぜ生産終了となったのか?

トヨタの人気ミドルクラスミニバンといえば、「ノア」や「ヴォクシー」がよく知られています。しかし、これらの兄弟車の中に、かつて「エスクァイア」というモデルも存在していました。その煌びやかなエクステリアから「プチ・アルファード」とも呼ばれたエスクァイアは、残念ながらたった一世代のみで生産が終了しました。なぜこのモデルは消えてしまったのでしょうか?

生産終了に至った背景

2022年1月、ノアとヴォクシーがモデルチェンジを迎えた一方で、エスクァイアはフルモデルチェンジされることなく生産が終了しました。その背景にはいくつかの理由が挙げられます。

まず、2020年にトヨタの販売店が統合されたことが影響しています。この統合に伴い、モデルラインナップの整理が進められ、ノアとヴォクシーのような根強いファン層を持たないエスクァイアは、統合の波に飲まれる形となりました。

また、エスクァイアのターゲット層が求めた「高級感」という要素においても、アルファードやヴェルファイアには敵わなかったことが原因の一つです。アルファードはそのゴージャスなイメージに加え、残価率の高さやリセールバリューの良さでも優れており、高額車でありながらコストパフォーマンスに優れるモデルとして支持されています。そのため、エスクァイアを選ぶ明確な理由が乏しくなってしまいました。

中古車市場での再評価

生産終了から5年近くが経過した現在、エスクァイアは意外な形で注目を集めています。中古車市場において、エスクァイアは高い人気を誇り、2019年式から最終年にあたる2021年式までの価格は200万円中頂から上限は380万円以上にも達します。

特に注目すべきは、南アジアのバングラデシュでの人気です。言われるのは、その煉やかなフロントマスクが現地のデザインの好みに気に入られたためです。その中でも、ハイブリッド車の需要が高く、現地での価格が拡大しているといいます。

さらに、バングラデシュの中古車輸入規制「5年落ちまで」という規制の結果、2021年の製造が終了したモデルはこれからの2年が現地市場の最大点の項目になるとして中古車業者の間で話題になっているようです。

エスクァイアが残したもの

エスクァイアは、その高級感のコンセプトやデザインが一定の評価を受けつつも、ノアやヴォクシー、さらにはアルファードという強力な競合車種の存在によって短命に終わりました。しかし、その独特のキャラクターや現在の中古車市場での人気を見ると、必ずしも失敗作だったわけではありません。むしろ、その魅力が今なお多くの人々に支持されていることは注目に値します。

もしフルモデルチェンジを行い、さらに高級感や個性を強化していれば、ノアやヴォクシー以上の存在感を発揮していたかもしれません。短い命を終えたエスクァイアですが、その物語はまだ終わっていないのかもしれません。

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