1. 極めて低い生産・販売台数
新型センチュリーSUVの月間生産目標はわずか30台。これは、セダン型センチュリー(50台)よりもさらに少なく、一般人が街中で目にする機会が非常に限られる理由のひとつです。
- 超限定的な供給戦略
トヨタは、センチュリーの格式を維持するため、販売台数を意図的に抑えています。この戦略は「センチュリーの特別感」を守ることに重きを置いたものと言えるでしょう。
2. 販売店と販売体制の制限
センチュリーSUVは、トヨタの通常ラインアップとは異なり、販売を許可された限られた店舗とセールススタッフ(マイスター)のみが取り扱う特別なモデルです。
- 試乗車の設置がない
他のモデルのようにディーラーに試乗車が置かれることはなく、販売店で実車を見る機会がほとんどありません。そのため、「本当に売っているのか」と疑問に思う人も少なくないのです。
3. 厳しい購入基準
新型センチュリーSUVは、単にお金があれば購入できるわけではありません。顧客の購入履歴やステータスが重要視され、次のような条件が設けられることがあるとされています。
- 過去に一定数のトヨタ車(特にセンチュリー)を購入している顧客。
- 現在センチュリーを保有している顧客。
- 法人やVIP向けのショーファーカーとしての用途。
こうした条件により、購入可能な層が絞られ、結果的に街中での遭遇率が下がっています。
4. 主な購入層と利用用途
新型センチュリーSUVは、「若いエグゼクティブ向け」として設計されたとはいえ、実際には法人顧客や経営層向けのショーファーカーとしての需要が中心です。そのため、個人のオーナーズカーとして街中を走るシーンは少なくなっています。
5. セダン型との色分け戦略
トヨタは新型SUVと従来型セダンを併売し、次のような明確な顧客ターゲットの差別化を図っています。
- 従来型セダンセンチュリー:官公庁や大企業のトップ層向け。
- 新型センチュリーSUV:若い世代の経営者やカジュアル志向の富裕層向け。
この「色分け」により、新型SUVがターゲットとする層はさらに限定的になっているのです。
まとめ
新型センチュリーSUVが街でほとんど見かけられないのは、供給台数の絞り込み、販売体制の特殊性、購入条件の厳しさなどが複合的に影響している結果と言えます。
トヨタがこのモデルに求めているのは、販売台数を増やすことではなく、センチュリーというブランドの格式と特別感を維持すること。そのため、今後も一般的な道路で目にする機会は限られるでしょう。
もし街中で新型センチュリーSUVを見かけたら、それが非常にレアな光景であることを思い出してみてください。特別な存在感を持つ1台だからこそ、見る人の目を引くのです。
コメント