暫定税率とは?
- 導入の経緯
ガソリン税(揮発油税及び地方揮発油税)は1949年、道路整備財源の不足を補う目的で「暫定税率」として導入されました。当初は1リットルあたり 28.7円 に加えて 25.1円 を上乗せし、以後延長を重ねてきました。
→ 現在のガソリン税率は 53.8円/L(暫定税率込み)。 - 二重課税問題
1989年の消費税導入時、ガソリン税を含んだ小売価格にさらに消費税が課される形となり、 「二重課税」 が問題視されています。
これまでの議論と争点
- 2008年:「ガソリン国会」
民主党(当時)が暫定税率の廃止を提案し、国会で大きな議論を呼びました。一時は暫定税率が失効したものの、福田内閣が衆院再議決で復活させました。 - 2009年:民主党政権の「特例税率」
鳩山政権下で暫定税率は期限付きから「特例税率」として恒久化されました。同時に、ガソリン価格が一定水準を超えた際に課税を停止する「トリガー条項」も設けられました。 - 2011年:トリガー条項凍結
東日本大震災の復興財源確保のため、トリガー条項が凍結され、現在に至ります。
今回の暫定税率廃止の意義
- 減税効果 暫定税率が廃止されれば、ガソリン1リットルあたり 25.1円 が軽減されることになります。現行税率の53.8円から28.7円に戻る計算です。
- 家計負担の軽減 ガソリン価格が物価全体に及ぼす影響を考えると、減税は家計や輸送コストの負担軽減につながります。
- 二重課税問題の解消に一歩 ガソリン税を引き下げることで、消費税との「二重課税」の負担が緩和されます。
課題と懸念
- 道路財源の確保
暫定税率は本来、道路整備の財源確保が目的でした。廃止後、その穴埋めをどうするのか議論が必要です。 - 環境への影響
ガソリン価格が下がることで、エコカーや公共交通機関への移行が鈍る懸念もあります。 - トリガー条項の凍結解除問題
暫定税率廃止と並行して、凍結されたままのトリガー条項をどう扱うのか注目されています。
まとめ
ガソリン税の暫定税率廃止は、生活や経済活動において大きな影響を及ぼす政策転換です。ガソリン価格の変動やエネルギー政策のバランスを考慮しつつ、税収の代替策や環境への配慮も求められます。
今後の議論の行方に注目が集まります。
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