ポルシェ911 GTSのハイブリッド化
ポルシェは、2018年に発表された992型にさらなる改良を加え、2024年モデルとして登場させました。注目すべきは、GTSモデルにハイブリッドシステムを搭載した点です。これにより、従来のパワフルな走りに加え、環境性能も向上しています。
エンジンとハイブリッドシステム
911 GTSには、新開発の3.6L水平対向6気筒シングルターボエンジンが搭載されています。このエンジンは、従来のツインターボユニットより排気量が0.6L拡大され、最高出力484ps、最大トルク57.9kg-mを発揮します。さらに、400Vのハイブリッドシステムが加わり、総合出力は541ps、最大トルクは62.1kg-mに達します。
ハイブリッドシステムには、54psと15.3kg-mの駆動用モーターが8速デュアルクラッチATに内蔵され、ターボチャージャーにも電気モーターが搭載されています。これにより、ターボラグを解消し、滑らかな加速を実現します。車重の増加は実質80kg程度に抑えられており、ポルシェの技術力が光るポイントです。
その他の改良点
新型911 GTSには、後輪操舵システムが標準装備され、サスペンションは10mm低く設定されています。ボディロールを抑制するPDCCは、新しい電動油圧システムにアップデートされました。また、リアシートが無償オプションとして設定され、車重の最適化が図られています。
試乗レビュー
筆者は、改良後の911 GTSと非ハイブリッドの911 カレラの両方に試乗しました。ハイブリッドGTSは驚異的なレスポンスを見せ、特に直線加速ではその重量を感じさせません。しかし、カーブでは若干の重量感を感じる場面もありました。一方、非ハイブリッドの911 カレラは、より軽快で操縦性が高く、純粋なドライビングの楽しさを提供してくれました。
まとめ
今回の試乗を通じて、ポルシェ911 GTSのハイブリッド化は確かに進化を遂げましたが、最もバランスの取れた選択肢としては、非ハイブリッドの911 カレラが依然として魅力的であると感じました。どのモデルも優れた性能を持ちますが、ドライバーの好みに応じて最適な選択ができるのがポルシェ911の魅力です。
スペック
- 車両重量: 1595kg（カレラ GTS）
- 最高出力: 541ps（システム総合）
- 最大トルク: 62.1kg-m（システム総合）
- 0-100km/h加速: 3.0秒
- 最高速度: 312km/h
- 燃費: 9.3km/L
- CO2排出量: 244g/km
この新たなハイブリッド911が、ポルシェファンやスポーツカーファンにどのように評価されるのか、非常に興味深いところです。
コメント