初代M5からの進化

M5は、BMWの5シリーズをベースにBMW M社が手がけた高性能セダンです。1985年に初代が登場して以来、今回の新型で7代目となります。40年の歴史を持つM5は、常に進化を続けてきました。

ハイブリッドシステムの搭載

新型M5の最大の特徴は、Mモデルとして初めてハイブリッドシステムを採用した点です。「Mハイブリッド ドライブシステム」と呼ばれるこのシステムは、4.4リッターV型8気筒ツインパワーターボエンジンに電気モーターと8速Mステップトロニックトランスミッションを組み合わせたものです。

エンジン単体での最高出力は585馬力、最大トルクは750Nm。モーターは197馬力、280Nmを発生し、システム全体では驚異の727馬力、1000Nmを実現します。このシステムは耐久レースマシンの技術を応用しています。

パフォーマンスとエコ性能

最高速度はリミッターで250km/hに制限されていますが、オプションのMドライブパッケージを選ぶと305km/hまで引き上げられます。モーター駆動用バッテリーは18.6kWhで、フル充電時にはモーターだけで67〜69km（WLTPサイクル）走行可能です。モーターのみの最高速度は140km/hです。

エクステリアとインテリア

新型M5のエクステリアは、ワイド化されたホイールアーチや延長されたサイドスカート、Cピラー周りの「M5」ロゴなど、ノーマルの5シリーズセダンと明確に区別されたデザインです。

インテリアには、新設計のフラットボトムMレザーステアリングホイール、調整範囲の広いMマルチファンクションシート、BMWカーブディスプレイなどが専用装備されています。iドライブは最新のBMWオペレーティングシステム8.5に基づいてアップグレードされています。

生産と市場投入

新型M5は2024年7月にイギリスのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでワールドプレミアされ、同月からディンゴルフィング工場で生産が開始されます。市場投入は2024年11月からで、同時に新型M5ツーリングも導入されます。北米やヨーロッパを主要市場とし、韓国、中国、日本にも導入される予定です。

新型BMW M5は、その圧倒的なパフォーマンスと先進的なハイブリッド技術で、高性能セダンの新たなスタンダードを示す一台となるでしょう。