住友ゴムのアクティブトレッド技術が変えるタイヤの未来

住友ゴムが新開発

住友ゴムが開発したアクティブトレッド技術は、タイヤの性能を路面状況に応じて変化させる画期的な技術です。これにより、ウエット路面やアイス路面でのグリップ力を向上させ、安全性を高めることが可能になります。

この技術は、水や温度変化に反応してタイヤの硬さが変わる仕組みを利用しています。特に興味深いのは、水に触れると柔らかくなる特性であり、その仕組みには化学的な要素が絡んでいます。

イオン結合とは

住友ゴムは水に触れた際にタイヤが柔らかくなる仕組みを、イオン結合という化学的なプロセスを利用して実現しています。通常のタイヤ素材は共有結合で結ばれており、これには水に対する反応性がありません。しかし、イオン結合では水に反応して素材同士が一時的に分離し、乾燥すると再び結合する性質があります。

グリップ性能が向上

さらに、この技術はタイヤのウエット路面での性能向上だけでなく、氷上でのグリップ性能も改善します。温度に応じて変化する特殊なイオン性化合物を活用することで、低温時に柔らかくなる性質を実現しました。

この技術の導入により、将来的には一年中使用できるオールシーズンタイヤが実現され、タイヤの製造本数を減らすことで資源の節約や環境負荷の低減に貢献することが期待されます。

特殊なタイヤへ

住友ゴムは今後、この技術をさらに発展させ、電気自動車（EV）用のタイヤにも応用する計画を進めています。これにより、転がり抵抗を減らすだけでなく、タイヤの軽量化も実現し、次世代の車両技術に貢献する見込みです。

アクティブトレッド技術は、タイヤ業界に革新をもたらす可能性を秘めており、環境に配慮した新たなビジネスモデルの展開にも期待されています。住友ゴムは、タイヤの性能向上と共に、持続可能な社会に貢献する使命を果たしていく決意を示しています。